ご意見

メールフォーム

 当サイトへのお問い合わせは下記URLメールフォームよりご連絡ください。

メールフォーム >>

「あきらめたものを取り戻す場所」

 NHKで放送中の連続ドラマ「宙(そら)わたる教室」が評判です。大阪の定時制高校での実話に構想を得ていますが、ドラマの舞台は新宿にある都立夜間定時制高校です。ここには中学から不登校になった生徒、外国につながる生徒、若い頃学ぶことが出来なかった七十代の生徒など、さまざまな事情を抱えた生徒が通っています。第1話では、バイクで校庭に入り込んできた若者が夜の教室で学んでいる生徒たちに「今さら勉強したって時間の無駄だ」と言い放ちますが、その若者に若い理科教師が静かに語りかけます。「無駄にするかどうかは自分次第。ここには何だってあります。教師ができるのは場所を用意して待つ、ただそれだけです。ここは、あきらめたものを取り戻す場所です」。夜の教室で学びと居場所を取り戻したいと思う生徒がいる限り、夜間定時制高校をつぶしてはなりません。

 

 昨日、話題のNHKドラマ「宙わたる教室」が最終回となりました。ある人から、以下の記事を教えていただきました。綿貫大介という方のドラマ評です。そこでは都立定時制の廃校問題についても言及し、チャレンジスクールで代替できないことを述べています。以下、関連する箇所を貼り付けました。

https://crea.bunshun.jp/articles/-/51849

 ドラマを観ながら、現実の定時制高校ってどうなっているのかにも興味を持ちたいところ。実は東京都教育委員会は2026年度入試から、都立高6校の夜間定時制課程で生徒募集を停止する方針を明らかにしています。

 都教委は、不登校経験者らを受け入れるチャレンジスクールの定員を増やすなどで受け皿を充実させると述べていますが、受け皿としてそれでは不十分。夜間定時制は不登校経験者らの居場所であり、少人数で一人一人に合わせた支援ができる重要な役割を持っています。困難を抱える生徒の受入環境の充実を言うなら、本来は夜間定時制こそ充実させるべきではないでしょうか。

 70年代の苦学生や集団就職者、80年代の中退者や暴走族、90年代の不登校経験者、そして障害者、外国籍の子どもたち。その折々に「困難を抱えた生徒」が入学してきたのが定時制高校です。学習障害、ミックスルーツ、高齢者……ドラマの科学部の生徒たちは、現在の定時制高校に通う生徒の代表例に近い属性を持っていることにも、作品に対してリアリティと誠実さを感じました。年齢も思考もバラバラですが、「学ぶ」意欲でつながり、最も多様性のある学びの場で豊かな関係値を築いていくのが本作です。

 

「僕は中学校に行っていません。
そんな僕に高校で学ぶ機会を与えてくれたのが小山台高校の定時制です。
働きながら学校に行く人や外国人など、小山台高校の定時制にはいろんな人がいて、多くのことを学び、たくさんの仲間ができました。
小山台高校の定時制で得た経験を生かし、大学に進学することもできました。
小山台高校の定時制がなかったら、僕は中卒で終わっていたことでしょう。
中卒と大卒では、就職するときに大違いです。小山台高校の定時制があったから今の僕がいます。
小山台高校の定時制の存続を願います。」

「僕は小山台高校の定時制でテニス部を作り、仲間と汗を流していました。
小山台高校には、グラウンド、3階建ての体育館、テニスコート、プール(定時制はプールは使えません)があり、全日制はもちろんのこと、定時制の生徒も部活に励むことができました。
定時制の授業は21時頃まであり、そのあとに部活をするというのは時間的に大変な面もありますが、昼間に働いたりしている学生たちにとって、同じ学び舎に通う仲間たちと切磋琢磨する良い場となっています。
素晴らしい環境の整った場で部活に励む機会が小山台高校の定時制にはあります。
そこで得た経験は多くの生徒を成長させることでしょう。
小山台高校の定時制をなくさないでください。」

S.K.(30代)